絶望のチューブレス化 ビード上げ編 救世主現る?! 自作ブースター

自転車

雑誌、ブログ、YouTubeなどのメディアで、どこを見ても「チューブレス快適ですよ-!」とか「乗り心地が良くなったよー」とか「マジでパンクしない!」とか絶賛されてます。 それを毎日眺めていると、だんだん自分のバイクもチューブレス化したくなってきます。

甘い言葉に誘われて自分でやってみたものの、ビード落とし、ビード上げの両方で大苦戦しました…タイトルにある通り絶望の淵を彷徨って、3ヶ月の期間を掛けてやっとチューブレス化が完了しました。貴重な土日をどれだけこの時間にあてたことか…

いろいろメリットがあっても、この面倒くささがあるとチューブレス化がなかなか流行らないのも納得です。

ビード上げについてはこの記事で紹介しています。ビード落としも大苦戦でしたので、別記事にまとめてます。↓

ビードが上がらない問題

初めてのチューブレス化最大の敵はビード上げです。ハンドポンプしかない一般的なサイクリストは、己の力のみでハンドポンプをシュコシュコしながら全力でタイヤに空気を送り込みます。

ハンドポンプの1ストロークの空気量はタイヤを膨らませるのに必要な容量と比べるとたいしたことないです。なのでリムとタイヤの密着性が悪く、大きめの隙間が空いていると、そこからあっと言う間に空気が逃げます。

気持ちは目にも止まらぬ速さでポンプをシュコシュコしているつもりでも、しょせんは人力なので限界があります。

石けん水が良いとか、タイヤをグルッと荷物用のベルトで巻いてタイヤを密着させるとか、ネットに転がっているあらゆる方法を試すのですが、ビードが全然上がりません。

いろいろやってすべてうまくいかないと肉体的にも精神的にも追い込まれてきます。まさに絶望…

ショップに持ち込んでコンプレッサーでプシューとやるか、インフレータータンクを買ってきてプシューとやるか簡単で確実な最終手段が頭をよぎります。

「大して使わないタンクに課金してもいいのか?」「これだけ頑張ってショップに持ち込んだら負けじゃないか?」など、自分の中で葛藤が始まります。あきらめたくない気持ちはあるけど、どうしようもできないもどかしさ…

自作ブースター登場

ここまでが長い前置きでした。

ここからはネットでたまたま見つけた自作ブースターについて紹介します。

結論としては、自作ブースターでビード上げは余裕でした。余裕過ぎて今までの苦労はナンだったのかとびっくりするレベルです。

参照したのはこちらの記事です。
ネットではいろいろビードの上げ方が書かれていますが、この方のやり方は他では紹介されていません。
高いブースターを買うか悩んでいる方は格安でできるこの方法でまずは試して見てください。

概要

この方法はざっくり以下の手順になります。
①余っているタイヤにハンドポンプで空気を貯める
②余っているタイヤとビード上げしたいタイヤをチューブで接続
③バルブを全開にして一気に空気を送り込む

インフレータータンクのタンク部分をタイヤで代用してやるイメージですね。

接続はこんな感じ↓

ミソになるのがバルブ機構で、空気を一気に送り込むには一旦空気を止めるバルブが必要になります。このバルブがなくても実はこの方法できちゃうのでそれも一緒に紹介します。安く部品を揃えることができれば数百円でビード上げできます。

準備するもの

必要なのはこれだけです

  • インフレータタンクの代用品
    • ホイール付きのクリンチャータイヤでチューブのバルブコアが抜けるもの、または、チューブレス化済みのタイヤホイールセット
  • 内径5mmのホース(耐圧が高いもの) 長さ1m
  • フレンチバルブ単品 1個(要追加工)
  • フィンガーバルバ
    • これはあってもなくてもOK、クリップかヒモで代用できます

 


コアが抜けないタイヤチューブは溜めた空気を外に吐き出すことができないため、コアが外れるタイプが必須です。チューブレス化済みのタイヤ・ホイールセットがあればそのまま使えます。

ホースはホームセンターで買いましょう。空圧機器のコーナーにある耐圧0.8~1MPaのホースから選択すればOKです。なければ園芸コーナーに水道用の内径5mmのチューブが売っています。こちらは耐圧不明なので推奨しません。

外形8mm、内径5mmのポリウレタンチューブ@Amazon

いらないタイヤチューブからフレンチバルブのバルブのみを外します。↓
金ノコでバルブの首の部分からカットしてしまうのが簡単です。
このバルブはコアが抜けなくても問題ありません。バルブエクステンダーをお持ちでしたらこれでも代用できるかもしれません。(エクステ持っていないので試された方いましたら教えて下さい!)

タイヤチューブからバルブのみを金鋸でカット

今回フレンチバルブを使っているのは、チューブの内径が5mmで、フレンチバルブにねじ込むの丁度よいサイズだからです。アメリカンでもできないことはないですが、サイズの合うチューブや継ぎ手を探す必要があります。

切替用のフィンガーバルブはなくてもできますが、あったほうが作業が簡単です。
1個1000円弱と微妙に高いです。大きなホームセンターでも売ってない場合があったので、Amazonとかモノタロウで買いましょう。サイズは外径8ミリ、内径5ミリのチューブに適合するものから選んでください。

フィンガーバルブ。
エアを止めたり流したりを切り替えるのに使います。

チューブをカットします。今回は50cmを2本にしました。長い方が作業性は良いですが50~100cmあれば問題ないです。

こんな感じ接続します。

これで準備が整いました!いざビード上げ!

自作ブースターを使う

チューブの片側に単体のバルブを差し込みます。後で抜き取るので空気圧で抜けない程度に取り付けます。

次にバルブコアを外したインフレータータンクのかわりになるタイヤにチューブの反対側を接続します。(今回はチューブレス化済みのMTBのタイヤをタンク代わりに使います)

バルブコアを抜いていないと空気が移動しないので必ず抜いてください。
チューブの差込は浅くてもOKです、微妙な漏れなら気にしないでササッと作業を終わらせてしまえば特に問題なしです。
チューブを奥に入れすぎるとホイール側のバルブが破損したりチューブが抜けなくなるので注意してください。

この状態でハンドポンプなどでタイヤに空気を送り込みます。
空気圧は適当でOKです。
低すぎるとビードが上がらないことがありますので、両方のタイヤの耐圧を超えない範囲で調整してください。

空気が入ったところでフィンガーバルブを閉じます。

フィンガーバルブの代わりに「チューブを曲げるだけ」という技もあるのでご紹介
この方法ならエアチューブを購入するだけなのでおそらく最安値でビード上げできちゃいます。

↓フィンガーバルブを使う代わりにチューブを折ってクリップ等で挟んでおくだけでOK

チューブに差し込んだバルブ単体を取り外します。
外したチューブの先をビード上げしたいタイヤのバルブに接続します。
この時にビード上げしたいタイヤ側のバルブコアは抜いておいてください。
↓はMTBのタイヤの空気をロードバイクのタイヤに送り込む前の状態です。

いよいよビード上げです。
ビード上げるときにビードの隙間に指や工具を挟まないように注意してください。
周辺の状況を確認して問題なければフィンガーバルブを一気に全開にします。

外した瞬間に一瞬で空気が流れ込みビードが上がっているはずです!

まさかのこれだけでビード上げ完了!
あとはシーラントを流し込みもう一度空気を入れればチューブレスに!

自分もそうなんですが、今までずっと苦労していた方は
「エッ?!こんな簡単なの?!」
とビックリしませんか?思わず笑っちゃうと思います!

この方法を参考にしたブログではYとかTの3方向に分岐ができる継ぎ手を使っています。
この継ぎ手を使うと途中のチューブの差し替えをしなくても良くなります。
私は3方向継ぎ手を買ってやってみましたが、正直なくても良いかなと思います。継ぎ手1個でそれなりの金額しますし。かっこよいジグを作りたい方は買ってみてはいかがでしょうか。

最後に

ビード上げで絶望していた方々、いかがでしたでしょうか?
私と同じように困り果てていた方の一助になりましたら幸いです。


コメント

  1. 肥後蘇山 より:

    はじめまして。
    当方も試行錯誤した後、こちらを拝見させて頂き、ホームセンターで材料を揃え試してみました。
    シクロクロス用の32Cから32Cへの空気移動で、呆気なくビード上げが完了しました。
    大変感謝おります。
    費用は大工工事用のエア工具部材しか無かった為、2,400円程の出費でしたが、6,000円以上のエアチャンバーを買うよりコンパクトで満足な結果です。

    • tomo より:

      肥後蘇山様
      コメントありがとうございます。
      私もなかなか苦労しましたので、他にも同じく悩んでいる方のお役に立てればと思い記事にまとめました。
      インフレータータンクを買えば簡単なのですが、コンパクトな治具で必要な機能を満たせるところがポイントですね。

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