スノーピーク社長の山井氏の著書「スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営」を読んだ感想。
経営理念である「The Snow Peak Way」を芯にブレない考え方でユーザー目線に立ったモノ作りをしている。山井氏は非常に行動力のある方で自分で考え自分で動いているのを強く感じた。年平均で45泊以上キャンプに出掛け、自社の製品を徹底的にレビューし、自分自信がユーザー目線に立って「本当にその商品が欲しいか?自分でその商品を買うか?」を真剣に考えて商品を発売している。
また、「オリジナル」を追求しコピー商品で溢れている昨今でも他社の真似はせずに「世の中にない製品」の開発に取り組んでいる。高価格でも良いものを作る思想で差別化を実現している。
山井氏の経営の方針とスノーピーク とはどんな会社かを書いた内容である。
■本を読んで知ったスノーピークのこと
スノーピークはハイエンドキャンプ用品のメーカーであることは知っていたが、本を読んでいて新しい知見があったので紹介したい。(コアなファンの方なら当たり前なのか?!)
- SUVに乗って出かけるオートキャンプのコンセプト提唱はスノーピークからだった
- これはアメリカが発祥だと思っていたが実はスノーピーク
- 商品の開発から量産までを一人の開発担当が一貫して手がけている
- ラウンジシェルというテント内で炭火が使える商品がある。(購入条件は講習の受講が必要)
- なかなか思い切った商品だと思う。オリジナルを追求するが故の商品? snowpeak:ラウンジシェルオールインワン [6人用]
- 2000年頃に問屋経由の販売を中止し直接販売に切り替えた。流通コストをカットしプライスダウンを図っている。
- 高いけど納得している訳ではない、のユーザーの意見から決意
- スノーピークの商品は永久保証のため保証書をつけていない(素材自体の摩耗や経年劣化は除く)
- すごい自信。工具メーカーのSnap-onと同じ方針で品質に自信があるのが伝わってくる。
- 本社は5万坪の牧場の中に建っている。しかも、本社の目の前でキャンプができる。
- 本社での座席はフリーアドレスで毎日変わる
- フリーアドレス導入は先進的、進んでる企業な感じがある
- バランスボールOK、ストレッチ器具やトレーニング器具が設置されており自由に使用できる
- 「焚火台」の発売は1996年と意外にもロングセラー
- 超意外!?、発売20年以上経っても売れ続けるって本物だと思う
- スノーピークのブランド名は山井氏のお父さんが1963年に商標登録していたもの
- 山井氏の母親と妹、娘も社内にいて意外にも同族経営
- 同族経営は良いイメージが無かったがスノーピークはどうなんでしょう?
■本を読んだあとの感想
良い商品を売っているのと高い商品を売っているのは知っていたが、この本を読んでその2つが繋がった。なぜ良い商品を作るのか?なぜ高く売るのか? ブレない経営の理念が繰り返し紹介されていた。ただ安い商品よりもユーザー目線で徹底的に考えられたストーリー性のある商品が売れる時代になっているのだと思う。本を読んだあとにスノーピークのサイトで商品をみていたら「あれっ?そんなに高くないかも?」と一瞬思ってしまった。真剣に作り込まれて長く使える商品(しかも永久保証)はイニシャルコストは高くてもトータルでは安いのかもしれない。
そんなスノーピークの「ストーリー」を知ったあとだと商品を買ってみたくなるのは、良い意味でスノーピークのビジネスにうまく乗せられている気がする(笑)
採用についても本の中で触れられていたが、非常に厳しい会社だと感じた。経営理念に対して真剣で本気であるからこその厳しさだと思う。本当にスノーピークが好きでキャンプが好きな人には最高の会社なのかもしれない。僕なんかは甘ったれなのでスノーピークには向かないだろうが(笑)
コメント