ウーピースリングを自作してみて気になっていたのが、メーカー品のツリーストラップやウーピースリングってどんな感じなんだろう?ということ。
自作したウーピースリングもなかなかの出来栄えでそのまま売れるんじゃないかと思うくらいの仕上がりであった。この自作スリングがメーカーと遜色ないのか、またはメーカー品のほうが質感が高いのか気になるところ。
今回は『ENO』と『hummingbird』のツリーストラップを購入してみたので自作のウーピースリングとの違いを比べてみる。
ハミングバード ツリーストラップ
まずはハミングバードからご紹介。正式なメーカー名は『hummingbird hummocks』
ハミングバードはウルトラライトハンモック界隈では有名な軽量ハンモックの先駆け的な存在。個人的には軽量ハンモックといえばハミングバードな感じがする。
今回はハミングバードの『ツリーストラップ』と『ツリーストラップ+』の2種類を購入してみた。
無印とプラスのストラップそれぞれの違いは、幅広の帯紐(ウェビングストラップ)部分の長さが違うだけである。ウーピースリングの長さは同じのようだ。
ウェビングストラップが長いと調整代が少なくなるので個人的にはウーピースリングが長いほうが使いやすかも。ただ木の保護を考えるとウェビングストラップが長いほうが木との接触面積が増えダメージを減らすことができる。
収納袋とストラップ。左が無印で右がプラス。
プラスでも十分小さいのだが並べてみると無印の小ささが際立つ。どちらも50g前後の重量で一般的なスマートフォンの半分〜1/4ほどの重量しかない。
軽さに特化しているため余分なものは徹底的に削ぎ落としている印象を受ける。このあとに出てくるがENOと比較するとチープな感じがしてしまう。機能性能重視も良いが所有する喜び的な方はENOの方が高いかな。
無印を手で持ってみた。とても小さくウェビング込みでこのサイズは驚異的。
ハミングバードのツリーストラップ全体はこんな感じだ。ウーピースリング部分が短くツリーストラップが長い。全長254cmと短いように感じる。
ウーピースリングのダイニーマロープを2重にする区間は14cmしかない。
自作のウーピースリングではこの区間は25cmも確保していたので、14cmで問題無ければさらに調整代を少なくすることができそうだ。
メーカー品を実際に観察すると勉強になるな〜
可動部側のロープが潜り込まないように『コブ』を作ってある。この部分はビーズを通したりオシャレなレザーのタグをつけている方を見かけるが、こんなシンプルな方法で処理されている。簡単だけどよく考えたのだろうと驚嘆させられる構造の一つ。
まさに軽量を追求したシンプル・イズ・ベストな構造。
ウェビングストラップに縛る固定端(エンドアイ)部分の長さは8cm。抜け止めorホツレ防止のためかエンドアイのロープを潜り込ませた部分は糸で縫われていた。
使用中にエンドアイがスッポ抜けるとハンモックごと落下の危険があるため、この部分の処理は大切とのことだろうか。
ウェビングストラップはダイニーマ製で幅は1インチ(2.54cm)
薄くてしなやかだがダイニーマなので相当強度はあるはず。
ENO ツリーストラップ
続いてはENOのツリーストラップをご紹介。
国内だと高かったので海外通販で別のキャンプ用品を買う際についで買いしてしまった。
ハミングバードのストラップと比べて全体的に質感が良い。強度的な質ではなく、作り込みがしっかりしている印象を受ける。ロゴであったりスタッフサックの素材であったり、全体的に重量増になる余分なものではあるが自作とは一線を画す感じが買ってよかったと思わせてくれる。
スタッフサックはの質感はいい感じ。さきほどのハミングバードと比べると明らかにでかくて重い。
説明書が袋の内側に縫い付けられている。ハミングバードは袋に耐荷重が書いてあるだけだったのでなんだろうかこの差は。慣れてしまえば説明書なんかなくても良いが、あったほうが親切だと思う。いらなかったら切れば良いだけだし。
仕様比較。
ENOも全長が長い『XL』というタイプと『無印』のタイプを併売している。どちらも基本性能は同じで単純に長さが違うだけ。
耐荷重がハミングバードより少ないのはなぜだろう?
素材を見ると、ハミングバードはロープとウェビングの両方にダイニーマを使用しているが、ENOはロープが『Silverlite Cord』でウェビングストラップ側はポリエステル製のようだ。
※Silverlite™ CodeはENOの商標登録のようで材質がダイニーマなのかは不明
ウェビングストラップに書かれた耐荷重は150ポンド(約68キロ)
1セット(2本)使って仕様の耐荷重136キロとなるようだ。
ウーピースリングのロープ2重区間はなんと10cm
ここまで攻めても使えるのか???
ハミングバードの14cmも驚きだったが、10cmまで短くできるとウーピースリングの最短側の調整代をかなり小さくすることができる。
ウェビングストラップの幅は1インチ。
この寸法はお決まりのようだ。これより幅が少ないと木へのダメージが気になるし、幅が広すぎると収納に不便なので1インチが丁度よいサイズなのだと思う。キリもよいし。
ENOのツリーサスペンションの端末処理。ハミングバードの質実剛健さと比べるとENOは華美な作り。これはこれで洒落た感じは嫌いではない。
自作ウーピースリング
自作ウーピースリングについては以下のリンクから。
もともとはYoutube等で勉強しながらウーピースリングを自作したのがきっかけで、メーカー品との比較を行った経緯がある。
各社比較
ハミングバードとENOのツリーストラップのサイズを比較してみる。
まずは上から。この向きからだとどちらも同じ大きさに見える。
横から。
ハミングバードの方が半分くらい小さい。ロープの太さもウェビングの厚みもハミングバードの方が小さい。しかもダイニーマを使用しているため耐荷重はハミングバードの方が強い。(※ENOのSilverlite Cordの素材での強度は不明、メーカーごとにどの程度の安全率を見ているかは不明)
実際に並べてみるとENOの方が質感は良いのだが、ハミングバードの方が実用性が高く便利なように感じる。どちらを選ぶかは人それぞれだが、単純に数字だけの比較ならハミングバード有利。
ロープの径を比較してみた。
上から、ハミングバード、emma kites(自作ウーピー用)、ENOの順
ハミングバードはきし麺のように平べったくなっていた。他のロープは丸い線状。
ハミングバードは直径換算で2.5mm
ネットで見かけるハンモック用ウーピースリングの直径はハミングバードが基準なのだろうか?
2.5mmと書いているが、Amsteel-Blueのダイニーマロープはインチサイズで7/64インチ(約2.8mm)というサイズが存在するため2.8mmの可能性もあり。100均のノギスであることと外径が変化してしまうロープのためうまく測れないことをご了承いただきたい。
ウーピースリング自作用に購入したダイニーマロープ
直径は2.5mm
ENOのSilverlite™ Coreと呼ばれるロープの直径は3.5mmほど
同じ3.5mmサイズのダイニーマだと耐荷重1000キロはあるため、サスペンションシステムの耐荷重が130キロ程しかないこのロープはポリエステル製だろうか?
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