別の記事でビードが上がらないことについて書きましたが、こちらはビードが落ちない問題について書いていきます。
「ビードが上がらない」はチューブレス化作業の終盤に発生する現象です。
「ビードが落ちない」はチューブレス化作業の1番最初の作業なので、これができないと作業がまったく進まず、やりたいのになにもできないという超もどかしい状態が発生します。
ビード上げ、ビード落としは絶望のチューブレス化において最難関の双璧であると言えます。
どちらの作業もうまくいくときは何とも感じないのですが、たまたま難しい個体に当たると作業に時間がかかりイライラします。
ビード落としとは?
ほとんどの場合はタイヤの空気を抜いてからタイヤのサイドウォールをグイグイ押すとタイヤのビードがリムの凹みに落ちます。これ一般的には「ビードが落ちる」と言っていますね。
ビードが落ちないとはどんな感じかというと、サイドウォールを押してもビードがリムのハンプ(ビードを保持するリムの盛り上がり部分)を超えることができない状態をいいます。
タイヤビードがリムの外径の小さい部分に落ちることでタイヤとリムの隙間が大きくなり、その隙間を利用してタイヤの脱着ができる、という仕組みです。
ビードが落ちない
今回のビードがなかなか落ちないやつは、マウンテンバイクについているセミファットの幅広タイヤです。
ホイールはWTB STX i35 TCSタイヤもWTB Vigilante
27.5×2.8インチなのでタイヤ幅は7cmくらいあります。極太です。
幅広のタイヤはサイドウォールを押し込んでもタイヤが変形して力が逃げてしまい。指の力ではどうやってもビードを落とせる気配がありません。ロードタイヤだとビード落としは比較的簡単です。
渾身の力で押し引き、靴のかかとで踏む、木材の角で押す、万力ではさむ、などなど、ネットに書かれていることを片っ端からやってみますがすべて効果なしです。
使い古したタイヤなら切ってしまえば良いのですが、まだまだ山があるので再利用したいところです。
さて、どうしたものか…
【追記】ゴム手袋もなかなか良い
追記です。
このあと出てくるウォーターポンププライヤーは強力な手段なのですが、タイヤが痛むのであまりオススメしません。
記事を書いたあとに農作業や運送作業などで使うハイグリップのゴム手袋でビード落としをしたところ意外といい感じだったので追記しておきます。
ゴムのグリップで力が入りやすく、あっさりビードが落ちました。
プライヤーでガシガシやる前にゴム手袋、試してみてください。
ウォーターポンププライヤーの力技で解決
特殊工具の登場です。
この工具でタイヤのサイドウォールを直接つかんでグイグイ引っ張ります。サイドウォールに傷がつきパンクするリスクがあるのですがこの手段しか残されていないため、半ば諦めの気持ちで思い切ってやってみました。
結果は大成功で、微動だにしなかったビードが少し動いてくれて、そこをとっかかりにしてなんとかビードを落とすことができました。
予想通りサイドウォールにプライヤーの跡がついてしまい、エアリークするかなぁと心配していましたが大丈夫でした。↓
この方法はサイドウォールが薄いタイヤだと穴が空きそうなので、試される方はご注意ください。当て布とかもありだと思いますが、ダイレクトにはさまないと力が逃げてしまったので、うまくいかないときはダイレクトの方が良さそうです。
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