ナイフの研ぎを勉強したくて、一見関係が無さそうな和包丁の研ぎ方の本を購入してみた。
本の内容
本の内容としては大別すると以下の項目で詳しく解説されている
- 包丁の知識
- 砥石の知識
- 研ぎの知識
- 包丁の管理
魚屋さんや料理人にとっては当たり前の包丁の知識でも、僕みたいな素人だと全く知らないこともたくさん書かれていた。
和包丁と洋包丁の違いとしては、ざっくり片刃か両刃かの違いがある。
これくらいであれば字を見れば刃の付き方がイメージできるが、和包丁の片刃は「裏すき」と呼ばれる刃の裏側がカーブしている部分が存在する。(裏すきは言葉だけだと想像するのは難しいたいめ画像検索などで包丁の断面図を探して見ください。)
この裏すきが和包丁では重要で研ぎ方に注意しないと「切れない包丁」になってしまうらしい。
鋼の種類「黄紙」「白紙」「青紙」とは?
あと面白かったのは鋼の種類についての解説で、黄紙、白紙、青紙など鋼の種類を聞いたことある人は多いと思う。
「この包丁は白紙1号だからよく切れる」とか「○紙○号の鋼を使ってるから硬い」など聞いたことないだろうか? なぜその様な名前の由来になっているかやその鋼の特性などを解説してくれている。
ネットにも書かれいるので気になる人は検索してみてください。 「白紙 青紙 鋼」
砥石の面直しの重要性
別の本に触発されて以前砥石を買ったことがある。何度か研いでいると砥石側の平面が悪化して上手く研げなくなってしまうらしい。まだ上手く研げているかどうかを自分で判断できるレベルではないのでなんとも言えないが(笑)
本の中では面が悪化するとどうして研げなくなるかのメカニズムが図で説明されていて分かりやすい。
そんなのを読んでいるうちに、ちょっと試してみようかと思い面直しようの砥石を買ってしまった。また今度研ぐ時に修正砥石を使ってみたと思います。ちなみに買ったのはコレです↓
修正砥石を実際に使ってみました。
この本のおすすめポイント
非常に奥の深い研ぎの世界は「熟練のワザ」みたいなブラックボックス化されている部分が多い印象があった。この本の中では基本的な研ぎについて図を多用し分かりやすい言葉で解説されているので、素人の僕でも「研ぐ」ということを頭の中でいい具合にイメージすることができた。
和包丁について多くのページ数を割かれているが、両刃のアウトドアナイフや斧の研ぎなんかにも応用できると感じた。
刃先を薄くすればよく切れる刃になるのだが、今度は刃の寿命が短くなってしまう。この本を読むと「切れ味」と「寿命」はトレードオフで調理用のナイフと薪割り用の斧では刃の付け方が異なることが理解できる。
ナイフ・斧・砥石を買ってみて「さてどう研ごうか?」と悩んでいる人におすすめの一冊。
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コメント
「絶望の林業」のところにコメントさせていただいた者です。
林業現場は、各種刃物研ぎまくりな上、林業時代は狩猟(銃)をやっており、さらに元々、釣りと登山が趣味でした。加えて勤務先には製材所も併設されていました。
ゆえに、金物屋・ホームセンター等にあるほぼすべての刃物(刃物以外に、土木・農機具も)を研いだ経験があると思います。
そこで経験から「刃物研ぎ」が上達する方法をお伝え出来るかと。それは
『刃物を使いまくれ。使いまくれば研ぎ倒すことになる』
慣れれば、金属どころか、石・陶器・木材ですら「刃物」にすることが出来ます。(YouTubeになんでも研いで包丁にする動画をupしてる人がいますね)
砥石での研ぎは入り口です。
「砥石では追いつかない・砥石が手元にない・砥石では不可能」の段階に入ると
ヤスリ・ディスクグラインダー・ベルトサンダー・コンクリートブロック・そこらへんの石で研ぐ、に至ります。(研ぎ地獄の道へようこそ)
「研術」は
・鋸類の目立てが出来る。
・石をジュエルカット(宝石の整形)出来る。
・金属表面を鏡面仕立て出来る。
この三点が「免許皆伝」だと思います。(サンドブラスターや化学薬品研磨もありますが、あちらは「魔法」の類なので)
こちらもコメントありがとうございます。
私も遊びの師匠に研ぎについて教えてもらい興味を持つようになりました。
ナイフだけでなく家の包丁や仕事で使うドリルの研ぎなども挑戦しています。
『刃物を使いまくれ。使いまくれば研ぎ倒すことになる』はまさに仰るとおりです。
まだまだ未熟ですが数をこなして上達していきたいと思います。