特許からキャンプ用品をみてみよう
公開された特許は特許検索で誰でも無料で閲覧ができる。オリジナリティあふれるメーカーや商品を見つけた場合に特許検索してみるとズバリ出願されていることがる。
別記事で紹介しているがsotoのガソリンストーブなども特許の塊で別メーカーにない唯一無二の機能を実現している。そんな目線でキャンプ用品をみてみるのも楽しい!
今回はsnowpeakの”ヤエンストーブ ナギ”の特許をご紹介
出典:snowpeak
風防が一体になったストーブですので、炎が風に影響されにくく、調理にストレスを感じません。脚部を兼ねている風防は大きな抵抗があり、設置の際、カートリッジに引っ張られたり、ガタつきが起こりにくい構造になっています。風防にハンギングする3本五徳は、高さを2段階に調整ができ、鍋やフライパン形状でお好みの高さを選択できるようになっています。ナギで美味しい山岳料理を楽しむシリーズもご用意しました。皆で囲んでいただきましょう。
ナギの特許
明細から特許の情報を抜粋してみた。この特許は2016年2月1日に公開されている。出願人はスノーピーク、発明者はスノピの社長の山井さん、となっている。
【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】公開特許公報(A)
【公開番号】特開2016-17706(P2016-17706A)
【公開日】平成28年2月1日(2016.2.1)
【出願番号】特願2014-141318(P2014-141318)
【出願日】平成26年7月9日(2014.7.9)
【出願人】
【氏名又は名称】株式会社スノーピーク
【発明者】
【氏名】山井 太
従来の携帯コンロの問題点
- コンパクトストーブは軽量化を重視するあまり安定性が疎かになり、強風や接触で倒れてしまうことがあった
- コンパクト故に風防が簡素になり風に弱い
コンパクトストーブを使ったことのある方なら上記思い当たるのではないだろうか?
カレーやラーメンの入った鍋が滑り落ちそうになったこと、早くカップラーメンを食べたいのに全然湯が沸かず途中で諦めて湯を注いだら麺が硬かった、という経験ある方も多いのでは?
五徳の不安定さと強風で全然湯が沸かない、そんな悩みを解決してくれるがこのストーブの発明らしい
ヤエンストーブ ナギの特許
特許の請求項(どこまでを特許の請求範囲とするかを示したもの)を要約すると以下のようになる。全文は特許の帳票を参照されたし。
- 連結された風防が五徳を兼ねることで接地面積が増え安定性が向上する
- 従来のコンパクトストーブには無かった風防を備えることで耐風性能が向上して火が消えにくい
- バーナー下が空いているため空気が供給され効率よく燃焼する
- 風防兼五徳のコンパクトに収納できるため特徴的な構造
▼発売されている商品がそのまま特許の明細に載っている
バーナーと風防の連結がしっかりとした構造体を作り全体を安定させる。
▼五徳兼風防も発売されているものと同じ見た目となっている
▼風防の組合せ構造
11と25の組合せで風防の形を規制している。更に15のワイヤーでも形の規制をしているため風防を展開するとある程度の完成形が出来上がりあれこれ考えなくても組立が行える。
▼風防を展開してバーナーをセットできるようにした図
ここにバーナーをセットすると風防とバーナーが連結され一つの構造体となるため安定する。
▼風防の折りたたみの図
パタパタと折り畳んでいくとコンパクトになる。よくある汎用の風防は高さ方向の長さがありけっこうかさばるのだが、この風防は専用品のため適切な長さとなっている。ただ防風性能的に長い風防の方が有利だと思う。けっきょく使う人が何を優先するかになる。
▼収納時。風防を含めるとたしかにコンパクト。
風防効果
スノピのHPに耐風性能の比較があったため紹介
風防有り無しではその差は歴然
風防有りでも風速が早くなると沸騰するまでの時間に差があるため、風防有りでも多少は風の影響を受けるようだ。
引用:snowpeak
動画
細かく色々と書いたが動画で観てもらうのが”ヤエンストーブ ナギ”の実力を理解しやすい。特許の明細には含まれていなかったが、発売中の製品には”ボトムプレート”という部品が入っており、これを付けることで更に剛性がアップして安定して使えるようだ。
まとめ
ヤエンストーブ ナギを使うことのメリット
- 風防兼五徳により部品点数削減、コンパクト化
- バーナーと風防を連結させ剛性アップ、不整地での安定性が向上
- 五徳が標準装備のため耐風性能が高い
動画を観て欲しくなった方多いのではないでしょうか?レギュラーアイテム入りするかは分かりませんが、「ガシャンガシャン組み合わせるギミックは一度やってみたい!」と思った方は多いはず。
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