世界中で同じ症状の報告
Redditで調べたら似たような例がたくさん出てきた。CRUX特有の病気みたいです。
検索してみると海外のフォーラムやRedditのグラベルバイク関連スレッドで、CRUXのフロントまわりが「がたつく」「カタカタ鳴る」という投稿がいくつも見つかった。国内だけでなく世界中のオーナーが同じ症状に悩まされているようで、モデルイヤーをまたいで報告があるところを見ると、単なる個体差というより設計や組み付けに起因する持病に近いのかもしれない。
ハンドルカタカタ問題
フロントブレーキをかけて前後に揺らすとカタカタと動く。シクロクロスのスタートグリッドでいつもカタカタしていた。不具合だとは思っていなかったのでそのまま使い続けていたが、いよいよ気持ち悪くなってきたので調べて分解したら不具合な感じがする。
分解と原因調査
実際に分解して、どこにガタの原因があるのか確認してみることにした。フォークを抜いて、ヘッドセットのベアリングやコラムまわりのパーツを一つずつチェックしていく。

トップカバー下に樹脂のスペーサーと樹脂のテーパーリング。これらがベアリングを押して与圧をかけりる。この段階でスペーサーがボロくなっているのが気になった。

トップカバーを外すとOリングとダストシールのゴムが出てくる。ガッチリガードでメンテサイクルを長くする思想のようだ。

トップカバーは樹脂製でクラックが入っている

タンゲセイキ

トップカバーの内側。段差部分にOリングがはまる。Oリングをはめてしまうとスペーサーとの接触面積が減ってしまう。内側がかけている…

スペーサーリング観察。無理な力が掛かり、摩耗、欠けが見られる。

テーパーリングは摩耗はないが樹脂製

ベアリング以外、樹脂かゴム

分解してみると、あやしいのはヘッドセットのベアリング部分だった。フォークコラムやスペーサー、トップキャップの締め付け自体には特に異常は見当たらず、ベアリングまわりにわずかな遊びがあるような感触があった。樹脂に体重を掛けたりシクロクロスで飛んだり跳ねたりしてるので摩耗するのは納得。普通金属だろと思うがどうなんでしょう?ガタガタの原因はほぼこれと思われる。
ステムのコンプレッションプラグが抜けない
分解ついでにコラムを短くする。スペシャライズドのコンプレッションプラグは抜けにくいらしい。

下側のテーパーリングを叩き出す。こちらは簡単。

上側のテーパーリングは固着しており、叩く側と反対に引き抜かないと外れないが、ネジや爪を掛けるところがないため一般工具だと安全に取り外しは不可能。
内掛けのベアリングプーラーを持ったいたのでこれを活用する。


あっさりと抜けた。


ベアリングプーラー

スペシャのプラグはすべてアルミ製でとても軽い。しかし抜き取りが難しい。

コラムカット
ヘッドベアリングの厚みが薄くなるのとポジションを少し下げたいのでコラムをカットしました。



コンプレッションプラグを指定トルクで固定する。9N/mがメーカー指定。

CANE CREEK HELLBENDER70 SLAM
チャッピーオススメのCANE CREEKを購入。上側のみ。

ペアリングに与圧をかけるテーパーの部品がCANE CREEKはアルミ製で青いアルマイト。CRUX純正は黒い樹脂のパーツ。CRUXは樹脂パーツ多用のため、この積み重ねと部品の誤差、隙間、設計不良がガタつきの原因と予想。

スリムモデルらしくダストシールなどはない。CRUX純正はダストシールを多用しているが荷重のかかる部分の肉が薄くガタつきの原因となっていた。
CANE CREEKは水や泥の混入が気になるが、ダイレクトに金属パーツで構成されているのでカッチリ感が段違い。

定期的に開けるつもりだがグリスを気持ち多めに追加しておく。

結論から言うと、ヘッドセットをケーンクリーク製のものに交換したところ、コラムのガタつきはぴたりと解消した。
フレームに付属していたヘッドセットも規格上は問題ないはずだが、精度や遊びの少なさで定評のあるケーンクリーク製に交換したところ、あれだけ気になっていたカタカタ音とガタつきが完全になくなった。CRUXのコラムがたつき問題で検索して同じ症状に困っている人がいたら、ヘッドセットの交換を一度試してみる価値はあると思う。
症状としては「フロントブレーキをかけて前後に揺らすとカタカタ鳴る」「段差でコラムまわりから異音がする」というパターンが多く、締め付けトルクを見直しても改善しないケースが目立った。自分の場合もまさにこれで、トップキャップやステムの増し締めでは直らなかった。
同じ症状で悩んでいる人は、まず純正ヘッドセットの精度やベアリングの遊びを疑ってみるとよさそう。自分のように社外品(ケーンクリークなど)に交換するだけで解決することも多いようなので、フレーム側やフォーク側を疑う前に一度試してみる価値はある。
症状チェックリスト
同じ症状で困っている人向けに、当てはまるかどうかをまとめておく。
- フロントブレーキをかけた状態で前後に揺らすとカタカタ鳴る
- 段差やギャップを通過したときにコラムまわりから異音がする
- トップキャップやステムのボルトを増し締めしても症状が改善しない
- フォークコラムやスペーサーそのものには傷や変形が見当たらない
これらに当てはまる場合、フレームやフォークよりも先にヘッドセットのベアリングまわりのガタを疑ってみるのが近道だと思う。
よくある質問
Q. 純正ヘッドセットのまま、締め直しだけで直せる?
A. トップキャップやステムのトルクを見直しても改善しないケースが多い。ベアリング自体の精度や遊びが原因になっている場合は、社外品への交換のほうが結果的に早い解決策になりやすい。
Q. この症状はCRUX以外のバイクでも起こる?
A. 今回調べた範囲ではCRUXでの報告が目立つが、同じ規格のヘッドセットを採用している他のモデルでも構造上は起こりうる症状。同じような異音・ガタつきに心当たりがあれば、車種を問わずヘッドセットまわりを疑ってみるとよさそう。
Q. ヘッドセットの交換は自分でできる?
A. 圧入・抜き取り用の専用工具が必要になることが多い作業なので、工具を持っていない・作業に自信がない場合はショップに依頼するのが無難。CRUXは圧入不要でした。
同じトラブルを防ぐためにできること
今回のガタつきは我慢して乗り続けてしまったが、振り返ってみると早めに気づいて対処できるポイントはいくつかあった。
- 洗車のたびにフロントブレーキをかけて前後に揺すり、ガタの有無をチェックする
- 異音や違和感を感じたら「そのうち直る」と放置せず、早めにヘッドセットまわりを確認する
- ヘッドセットを交換する機会があれば、精度に定評のあるケーンクリークなどの社外品も選択肢に入れておく
特に段差の多いシクロクロスやグラベルライドでは異音に気づきにくいこともあるので、定期的なチェックを習慣にしておくと安心だと思う。
交換後の感想
シクロクロスの練習してきました。バイクが全く別物になっていました。交換後が本来の挙動だと思うのですが、バイクの動きが細かく分かります。解像度が上がった感じです。タイヤの路面への追従具合、もっと攻めれる、滑りそうなどがとても良く分かります。今まではヌメッとした感覚で路面状況とか外からの入力がほぼ無かったのですが、ヘッドセット交換で隙間やガタつきがなくなり、挙動がダイレクトに分かるようになっています。
コーナリングもクイックに曲がれてフロントタイヤをコントロールできてる感が別物過ぎて感動です!なぜかリアタイヤのトラクション具合もペダリングから感じ取ることができ、グリップしてる、滑ってる、が伝わってきます。コーナー旋回からの立ち上がりのダンシングもぐいぐい進み、2年間同じバイクに乗っていましたがここまで楽しいのは初めてかもしれません。
ヘッドセットの無駄な動きがバイクすべての動きを鈍らせていたのだと思います。初期状態では問題が無かった部分が徐々に悪化して、気付かないうちに最悪の状態になっていたのではないかと。シクロクロスシーズン前にこの件を解決できてラッキーでした。
まとめ
CRUXのコラムがたつきは、日本以外では一定数のオーナーが経験している持病のような不具合らしい。日本だと分母少なすぎて情報が出てこないのかな?
フレームやフォークそのものを疑うより先に、まずはヘッドセットの精度やベアリングの遊びをチェックしてみるのが解決への近道。自分の場合はケーンクリーク製への交換で完治したので、同じ症状に心当たりがある人は一度試してみてほしい。


コメント